イベント時にのれんを掛けることには様々な効果が期待できます。
まず、第一に「何をやっているか」と言うことが一目で分かることが挙げられるでしょう。
さらに、日本の文化で看板を掲げていれば営業中、下げて入れば閉店や準備中と言った独特の概念が存在します。
そのため、現在進行系でイベントが執り行われていることが、お客さんにとっても分かりやすいのです。
また、のれんには看板の役割だけでなく、日よけや人目が気にならないようにする役割も担います。
ただ、少しめくれば中の様子を窺うことも容易にできるため、日本人の心理に合ったものだと言えるでしょう。
のれんは一時的なイベントにも対応しやすくなっています。
生地の種類にも色々ありますが、基本的に巻き取ることでコンパクトに収まるため、持ち運びが便利です。
店を構える場合とは違って、撤去や運搬作業の負担を軽減することができます。
看板を作るとなるとコストもかかりますが、のれんであれば布製のものにプリントするだけでも
作成することができますので、材料費の面から見ても費用を抑えることができます。
最小限の費用で本来の呼び込みとしての効果も十分に発揮できるのです。
本来、のれんは寒さを凌いだり、日差しを避けたりすることを目的として用いられてきました。
現在もその効果はありますが、歓迎を演出する広告の役割にも比重が置かれているのです。
デザイン性についても色や文字、ロゴなど柔軟性に富んでいます。
風に揺れる様子は、金属でどっしりと構える看板とはまた違った趣を持っています。
まるで手招きをしているような優しい雰囲気が、中の様子を窺ってみようと言う心理に働きかけるのです。
こういった中の様子を見ることと、外から窺い知られたくないという考えを両立することは
日本人独特の感性だと考えられます。
のれんは日本で親しまれた長い歴史があるように、訴求力の優れた宣伝広告のひとつとして適した選択肢だと言えるでしょう。
【イベントに関するアンケート】年間行事の実施率は?
2013年度におけるイベントと呼ばれる年間行事の中で、何を行ったかというアンケートリサーチを行ったところ、
もっとも高かったイベントの実施率は82.7%でした。
気になるのはこの高い数字のイベントが何だったのかということですが、やはり日本人の1年はここから始まると
感じている人が多いということが分かる、お正月と大晦日をセットにしたイベントが堂々の1位でしかも多くの人が
行っていることが判明したと言えます。
クリスマスと答えた人も多かったのですが、実施率は73.7%ということでお正月と大晦日のセットとはおよそ10%程度の
開きがあることが分かります。これは、クリスマスがそもそも海外から入ってきた行事であり、本来は宗教行事であるはずが
日本では楽しいイベントとして定着したことから、一部の人にとって行う価値のある年間行事と捉えている人がいることを示しています。
その意味では、お正月と大晦日もしなくてもいいと考えている人もいるのは確かですが、82.7%の人がお正月と大晦日を
年間行事の中で一番のイベントと捉えているのは、今年も終わるという感慨に浸れる大晦日と新しい年を迎えて
心機一転という気分になれるお正月は、多くの日本人にとっては楽しみな日本らしい行事だからでしょう。